Bumbo(バンボ)は、赤ちゃんがベビーチェアで完全に拘束しないように設計したフロアシートで、首が座った3~12 か月の赤ちゃん向けの商品です。
可愛いカラーリングに加えて、シートが柔らかく汚れても濡れたタオルで拭くだけできれいにできるため、児童館などの施設でよく見かけます。
息子が幼児のころに施設へ遊びに行ったとき、使い勝手がよく購入を検討しましたが、安定面や足の太い子には不向きであることがわかったのでインジェニュイティ(Ingenuity)を購入しました。
一時は購入を真剣に考えていた我が家が当時バンボを徹底的に調べた、バンボを買わなかった理由を紹介します!
バンゴをやめたほうがいい理由
バンボは、使い方次第で便利な育児アイテムとなりますが、同時に、誤った使用方法によって、赤ちゃんに危険を及ぼす可能性があります。
バンボの安全性や発達への影響については、専門家の間でも意見が分かれています。
保護者は、バンボの使用に伴うリスクを正しく理解し、使用上の注意点を厳守することで、安全なバンボの利用が可能となります。
1.転倒・落下による怪我のリスク
バンボは、一見安定感があるように見えますが、実は乳幼児が自力で姿勢を保てない場合、転倒・落下しやすく、深刻な怪我に繋がる危険性があります。
バンボ内で赤ちゃんが少し体を傾けたり、おもちゃを取ろうと手を伸ばしたりするだけで、バランスを崩し、転倒してしまうことがあります。床に置いていても、絨毯の端や僅かな段差が原因で不安定になり、予期せぬ転倒に繋がる危険性があります。
また、テーブルやソファの上など高い場所で使用して落下した場合、脳震盪や頭蓋骨骨折などの重症化する可能性もあります。また、周囲に家具などがあれば、ぶつかって打撲や切り傷を負ったり、硬い床に叩きつけられて骨折したりするリスクも考えられます。
安全対策
- 常時監視: バンボを使用する際は、どんなに短時間であっても、絶対に目を離さず、常に赤ちゃんの様子に注意を払いましょう。
- 平坦で安全な場所で使用: 床に置く場合でも、必ず平坦で安全な場所を選びましょう。絨毯やマットの上は一見安全に見えますが、端で不安定にならないよう、注意が必要です。
- 不安定な場所での使用禁止: テーブルやソファの上など、高い場所や不安定な場所でバンボを使用することは絶対にやめましょう。
2. 運動能力発達への悪影響
バンボは体を固定するため、赤ちゃんの自然な発達を阻害する要因となる場合があります。
赤ちゃんは、本来、床の上で自由に手足を動かしたり、寝返りを打ったりすることで、全身の筋肉やバランス感覚を養っていきます。しかし、バンボに座っている間は、このような自然な運動の機会が制限され、特定の筋肉しか使わなくなってしまいます。
その結果、寝返り、ずり這い、お座り、ハイハイ、つかまり立ちなど、運動発達における重要な課程を遅らせてしまう可能性があります。また、姿勢を維持するために必要な体幹や背筋、腹筋などが十分に発達せず、将来的に姿勢が悪くなったり、運動能力が低下したりするリスクも懸念されています。
さらに、まだ骨や関節が未発達の乳幼児期に、長時間無理な姿勢で座り続けることは、股関節の発達や背骨の形成にも悪影響を及ぼす可能性があります。
安全対策
- 使用時間の制限: バンボの使用は1回につき15分程度までとし、長時間使用することは避けましょう。
- 床遊びの時間確保: バンボだけに頼らず、床に寝かせて自由に体を動かせる時間を十分に確保し、赤ちゃんの五感を刺激してあげましょう。
3. 股関節への負担
バンボの、赤ちゃんを包み込むような丸い形状は股関節に負担がかかり発達を阻害する危険性があります。
バンボの形状によっては、赤ちゃんの太ももの部分が圧迫され、股関節が内側に曲がった状態、いわゆる「内股」になりやすいという指摘があります。股関節は、まだ未発達な状態であるため、このような状態が長期間続くと、股関節脱臼のリスクを高める可能性も懸念されています。特に、脚の開きが少ないタイプのバンボは注意が必要です。
安全対策
- 脚の開き具合の確認: バンボに座らせた際、赤ちゃんの脚が自然に開いた状態であるかを確認しましょう。もし、窮屈そうであれば、使用を控え、医師に相談するのが良いでしょう。
- 股関節のストレッチ: バンボから出した後や、普段の遊びの中で、赤ちゃんの股関節を大きく動かせる運動を取り入れると良いでしょう。
4. 柔らかな素材が招く、窒息のリスク
首すわり前の赤ちゃんの場合、バンボの柔らかい素材に深く沈み込み、呼吸困難に陥るリスクが考えられます。加えて、座った状態で寝ると赤ちゃんの頭が前に倒れ、窒息してしまうことがあるため注意が必要です。
また、ミルクの吐き戻しや、離乳食後の嘔吐などで気道が塞がり、窒息してしまう可能性もゼロではありません。
安全対策
- 首すわり前の使用は避ける: 首が完全にすわるまでは、バンボの使用は避け、安全な姿勢を保てるようになってから使用しましょう。
- 食事直後の使用は控える: 授乳後や離乳食の後は、吐き戻しの可能性があるため、時間を空けてから使用するか、様子を見ながら慎重に使用するようにしましょう。
バンボの自主回収(リコール)履歴
バンボは過去に2回、事故の報告に伴い大規模な自主回収を行っています。
- 1回目:2007年
-
- 回収理由: バンボに座らせた乳幼児が高い場所から転落し、頭蓋骨骨折などの重傷を負う事故が複数発生。
- 改善点: 当初、バンボは「赤ちゃんが座ることを覚えるのを助ける」というキャッチフレーズで販売されていましたが、この事故を受け、高い場所で使用することの危険性を警告するラベルを製品に貼付することになりました。
- 2回目:2021年
-
- 回収理由: 2007年の自主回収後も、高い場所からの転落事故が後を絶たなかったため。
- 改善点: 安全性を高めるため、以下の点が改善されました。
- 3点式安全ベルトの追加: バンボ本体に3点式の安全ベルトが追加され、乳幼児がバンボから抜け出したり、転落したりするリスクを低減しました。
- 警告表示の強化: 高い場所で使用することの危険性をより明確に伝えるため、警告ラベルのデザインや文言が見直されました。
これらの自主回収は、バンボの形状や構造に起因する転倒・落下事故の多発を受け、安全性を向上させるために実施されました。
しかし、安全ベルトの追加や警告表示の強化といった対策がなされた後も、バンボの使用に伴う事故や怪我のリスクが完全になくなったわけではないため、常に安全に配慮した使用を心がける必要があります。
まとめ
バンボは、乳幼児の育児に役立つアイテムとして人気ですが、その安全性や発達への影響については、専門家や親の間でも意見が分かれています。
肯定的な意見:
- ある程度の月齢・発達段階に達した乳幼児が短時間使用する場合は、親子の交流を促進したり、食事を補助したりする上で役立つという意見があります。
- 特に、発達に遅れが見られる子どもにとっては、周りの子どもと同じ目線で遊べるなど、社会性を育む上で有効な場合もあるようです。
否定的な意見:
- バンボは、赤ちゃんの体を固定してしまうため、運動能力の発達を阻害する可能性が指摘されています。
- また、股関節への負担や窒息のリスク、転倒・落下事故の危険性も懸念されています。
- 専門家の中には、バンボの使用よりも、床での遊びを推奨する意見が多く見られます。
過去の自主回収:
バンボは過去に2回、大規模な自主回収を行っています。いずれも、高い場所からの転落事故が多発したことが原因です。安全ベルトの追加や警告表示の強化などの対策が取られていますが、事故のリスクが完全に払拭されたわけではありません。
バンボは、使い方次第で便利な育児アイテムとなりえますが、その一方で、潜在的なリスクも存在することを忘れてはなりません。
保護者は、バンボを使用する際は、以下の点に注意する必要があります。
- 使用時間・頻度の制限: 短時間・適切な頻度で使用し、長時間座らせ続けない。
- 常時監視: 使用中は絶対に目を離さず、常に子どもの様子に気を配る。
- 発達段階に合わせた使用: 首がすわってから、適切な月齢・発達段階に合わせて使用を開始する。
- 床遊びとのバランス: バンボだけに頼らず、床での遊びの時間も十分に確保し、赤ちゃんの自然な発達を促す。
- 専門家への相談: 不安や疑問があれば、医師や保育士、理学療法士などの専門家に相談する。
最終的に、バンボを使用するかどうかは、それぞれの家庭の考え方や子どもの状況によって判断する必要があります。
大切なのは、メリットとデメリット、そしてリスクを正しく理解した上で、子どもにとって最善の選択をすることです。