NotebookLMの使い方・料金・特徴を紹介

最近、Dropbox 、Box、Notionが「自分が作成したメモと会話させるAIサービス」の開発に取り組んでいます。具体的には、システムやクラウドに存在するデータとやり取りをする生成AIの開発が進んでいます。

Googleが2023年にドキュメントから学習するタイプのAIノートブック「Project Tailwind」を発表し、2023 年 7 月 12 日にNotebookLMが米国で先行リリースされました。

その後、2024 年 6 月 6 日に日本を含む 200 以上の国と地域で提供が開始されました。提供開始時は日本語には対応していませんでしたが、2024 年 6 月の時点で日本語に対応しています。

この記事では、そんなNotebookLMについて紹介いたします!

目次

NotebookLMの特徴

NotebookLMは、Googleが提供する、ユーザーの思考をサポートするパーソナライズされたAIコラボレーターです。

ユーザーがドキュメントをアップロードすると、NotebookLMはそのソースの即席の専門家となり、ユーザーはNotebookLMと一緒にドキュメントを読んだり、メモを取ったり、共同作業をしたりすることで、アイデアを練ったり整理したりできます。

NotebookLMは、Gemini APIが利用可能な地域で、18歳以上のすべてのユーザーが利用できます。

NotebookLMの特徴

  • Googleが開発した大規模言語モデル「Gemini 1.5 Pro」を搭載: 「Gemini 1.5 Pro」は非常に優れた言語処理・推論能力を持ち、1度に100万トークンまで処理できます。これは、競合であるChatGPTやClaudeと比較しても圧倒的な処理能力です。
  • ユーザーがアップロードした資料に基づいて回答を生成: NotebookLMは、アップロードされたPDF、Googleドキュメント、テキストファイル、Googleスライド、WebサイトのURLなどの資料を分析し、ユーザーが入力した質問に対してAIが回答を生成します。回答には引用元が明示されるため、情報の信頼性を確認できます。
  • 多様な形式の出力: NotebookLMは、アップロードされた情報を、FAQ、学習ガイド、目次、タイムライン、ブリーフィングドキュメントなど、さまざまな形式に変換することができます。
  • メモ機能: NotebookLMにはメモ機能があり、ユーザーは重要なポイントやメモを残すことができます。
  • 複数人での共同編集・閲覧: NotebookLMは、Googleドキュメントなどと同様に、他のユーザーとファイルを共有して、共同編集・共同閲覧することができます。

NotebookLMの用途

NotebookLMは、ビジネスから日常生活まで、幅広い用途に活用できます。

  • 情報収集・整理: 会議資料の確認、会議の文字起こしや議事録の要約、論文・リサーチ業務、ニュースレターの作成など
  • 学習: 読書の際の理解促進、テスト勉強、研修など
  • 業務効率化: 問い合わせ対応の簡易チャットボット、FAQ作成など

NotebookLMと従来の生成AIとの違い

  • 情報の信頼性: NotebookLMは、ユーザーがアップロードした資料のみに基づいて回答するため、従来の生成AIと比較して、ハルシネーション(もっともらしい嘘)の可能性が低く、情報の信頼性が高いです。
  • 情報の範囲: 従来の生成AIは、学習データに含まれていない最新情報や専門的な情報に関する質問に答えるのが難しいという弱点がありました。一方、NotebookLMはユーザーがアップロードした資料に基づいて回答するため、最新情報や専門的な情報もカバーできます。

アップロードできるファイルの種類

NotebookLMは、多様な形式の資料を情報源として扱うことができます。

  • Googleドキュメント、PDF、テキストファイルに加えて、GoogleスライドとWeb URLもサポートされています。 これにより、ユーザーは多様な形式の資料を一箇所に集約して管理することができます。
  • NotebookLMでは、.pdf.txt 形式のファイルを直接アップロードしたり、WebサイトのURLを指定して読み込ませたりすることができます。
  • 情報源として、最大500,000語のテキストを含むことができます。

スプレッドシートの読み込み

現時点では、NotebookLMに直接スプレッドシートを読み込ませる機能はありません。

ただし、スプレッドシートのデータを使いたい場合は、Googleドキュメントにスプレッドシートの内容を貼り付けるという方法があります。 GoogleドキュメントはNotebookLMの情報源としてサポートされているため、この方法であればスプレッドシートのデータを読み込ませることができます。

具体的には、Googleスプレッドシートのデータをコピーし、Googleドキュメントに貼り付けます。そして、そのGoogleドキュメントをNotebookLMの情報源としてアップロードします。

このようにすることで、スプレッドシートのデータを使ってNotebookLMの機能を利用できます。例えば、スプレッドシートにまとめたデータから、NotebookLMに質問への回答を生成させたり、要約を作成させたりできます。

NotebookLMの料金プラン

NotebookLMは現在、無料で利用可能です。 しかし、まだ早期テスト段階であるため、将来的に有料プランが追加される可能性があります。

情報漏洩の可能性

NotebookLMは現在、早期テスト段階であるため、ユーザーが入力した情報は学習に使用されません。

しかし、人間のレビュアーがトラブルシューティングや不正使用への対応、フィードバックに基づく改善を行うために、ユーザーのクエリやアップロードした情報、モデルの回答を確認する場合があります。

そのため、見られたくない情報は送信しないよう注意が必要です。 NotebookLM を医療、法律、財務、その他の専門分野で使用しない方が良いでしょう。

NotebookLMと従来のRAGの違い

NotebookLMはRAG技術をベースにしたAIサービスですが、従来のRAGとはいくつかの重要な違いがあります。

従来のRAGは、主にベクトルデータベースと呼ばれる外部の知識ベースから情報を取得するために使用されていました。ベクトルデータベースは、データを効率的にリンクおよび整理するために、方向付けられた行列を使用する数学的構造です。そのため、従来のRAGを使用するには、これらの技術に関するかなり深い知識が必要でした。

一方、NotebookLMは、ユーザーがノートブックにアップロードまたは作成したドキュメントを通じて提供された情報以外の「世界」に関する事前の知識を全く持ちません。NotebookLMは「ニュートラル」なLLMとして機能し、推論能力はあっても事前の知識はありません。その「メモリ」は空で、ユーザーがノートブック内にアップロードまたは作成した情報のみで満たされます。つまり、NotebookLMは、ユーザーが提供するデータに大きく依存して、正確かつ文脈に応じた応答を生成します。

NotebookLMの使い方

NotebookLMはGoogleが提供するAIサービス で、ユーザーが入力したメモやアップロードした資料に基づいて情報を整理し、質問に答えることができます。

使い始めるには、Googleアカウントでログイン し、新しいノートブックを作成します。

1.新しいノートブックを作成する

2.資料のアップロードする

NotebookLMでは、様々な種類のファイルをアップロード できます。

  • Google ドキュメント
  • PDF
  • テキスト ファイル
  • Google スライド
  • ウェブサイトのURL

これらの資料をアップロードすると、NotebookLMが内容を自動的に読み取り、理解します。

3.リクエスト・質問をする

アップロードした資料の内容に基づいて、NotebookLMに質問することができます。

  • 資料の要約や重要なポイントを自動で教えてくれます。
  • 質問を入力すれば、AIが的確な答えを返してくれます。
  • 回答には引用元も表示されるので、情報の信頼性を確認できます。
  • 引用元をクリックすると、元の資料の該当箇所に直接ジャンプできます。
  • 資料の内容を、FAQ、要約資料、学習ガイドなどの形式に変換できます。
  • スライドやドキュメント内の画像、グラフ、図についても質問できます。

4.回答が出力される

メモの追加

NotebookLMでは、自由にメモを追加 することができます。

  • メモは、思いついたことや覚えておきたいことをクリップできます。
  • メモは、NotebookLMとの対話の中で、AIに参照させることもできます。

NotebookLMの将来性

NotebookLMは、まだ実験段階のサービスですが、その革新的な機能によって、情報管理と活用の新たな可能性を切り開くツールとして期待されています。将来的には、さらに多くの機能が追加され、ユーザーエクスペリエンスも向上していくことが予想されます。

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